マイコンのクロック周波数

実は、前のプログラムで光らせたLEDは、高速波形を観測できるオシロスコープで見るとちゃんと点滅しています。ただ、マイコンの処理があまりにも高速なので、人間の目では追いきれず点灯しているようにしか見えないのです。

プログラムはマイコンが処理をします。ということは、マイコンの処理速度がプログラムの実行速度ということになります。では、マイコンの処理速度はどのくらいなのでしょうか? マイコンの処理速度は、Hz(ヘルツ)という単位で表されるクロック周波数によって決まります。

マイコンはクロックという信号に合わせて処理を行います。このクロックが1秒間に発生する回数をクロック周波数と言います。ですから、一般的にクロック周波数の値が大きいほど、コンピュータの処理速度が速いと言えます。

例えば、クロック周波数が10MHzのマイコンの場合、1秒間に10×106回クロックが発生します。つまり、下式で求めるように、100n秒に1回処理が行われます。

1[秒] ÷ 10[MHz] = 100[n秒]

本キットのESP32モジュールは、40MHzの外部水晶発振子を搭載し、これを位相同期回路(PLL=phase locked loop)という仕組みを用いて240MHzにしたクロックで動作しており、この240MHzのクロック信号が発生するたびに処理が行われます。

では、ESP32は何秒に1回処理を行っているのでしょうか? 計算をして求めてみましょう。

問題 5-2

クロック周波数が240MHzの時、何秒に1回処理を行っているのか求めましょう。

問題が解けたら、次に進んで答え合わせをしましょう。

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LEDの点滅 – プログラム例2