ソースコードの分割の目的

これまでのSTEPでは、プログラムは全てmain.cpp内に書くという形で組んできました。しかし、プログラムがある程度以上大きくなってくると、全てのコードをひとつのファイル内に記載していてはプログラム全体の見通しが悪くなってしまいます。

これを避けるには、ソースコードを何らかの「部品」(例えば関数)ごとに分割し、部品ごと(または部品の一定のまとまりごと)に別々のファイルのコードを書いていくことです。こうすることで、例えばある特定の関数の処理内容を修正したい場合、その関数の処理内容のコードが書かれているファイルのみ修正し、他のファイルには触れないでおくことができます。

ソースコードの分割は、プログラムを複数人で開発する際にも好都合です。各々のプログラマーは、他のプログラマーがどのようにファイルのコードをいじくっているかを気にすることなく、自分の担当のファイルのコーディングに集中することができます。

通常のC言語プログラムや、本コースで用いているArduinoフレームワークも、プログラミングに必要なライブラリ等が多くのファイルに分割されて提供されています。普段はそれらのライブラリのコードに直接触れることは無いので意識することは無いかもしれませんが、プロジェクトのビルド時には多くのファイルがコンパイルされていることに気付くかもしれません。

図10-1 ビルド中にコンパイルされているファイル群

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